連続小説「生協」
食材が届いた。
「いつもは俺が届けるわけじゃないんすよー」
と、絵に描いたような若者言葉を使いながら、若者はどさどさと食材を運び込んでいく。だから、俺には何も注文してくれるな、とでも言うように。
今週は米が入っているから、野菜が少なめである。しかも無洗米。割安だったのだ。いつもは無洗米ではないから、注意しなければなるまい。
その注意まるごと、研いだ後に思い出すわけだが。大根と人参の泥を落とすのは難儀した。その割に、大根は黒い部分があってちょっぴり損した気分である。人参は1キロ。ピカピカだ。しばらく持つか、と思ったら、4日でなくなった。食べ過ぎである。真打ちは玉ねぎ4キロ。食べられる、と踏んだのだ。二週間前の私は。なんせ玉ねぎは、いつでもどこでも買って帰る、定番野菜である。しかも重い。これを注文せずして、何を注文するというのだ!華麗にクリックした。二週間前の、私は。ダンボールできた。冷蔵庫に入らない。しかも、いつでもどこでも玉ねぎを買ってしまうから、冷蔵庫にはすでに先住の玉ねぎたちが。おおう、おまえたち…どうしてこんなところに?
しかたあるまい。こうなったら、味噌汁の具は、玉ねぎオンリー。毎日二人で1つ食べる事を目標にするしかあるまい。しかしその時の私は知らなかった。生協の注文期限が迫っている事を。
