あと、この映画で思い出したのは、『声優のアイコ』事件のこと。
あの事件で、複数の男性を相手に昏睡強盗を働いてた犯人は、
女装した「自称FtM(乳房除去済)」で、逮捕後に妊娠が発覚したことから
「FtMの面汚しだ、っていうか男相手に妊娠するような事できる奴は男=FtMなんかじゃねえ」
みたいに散々な事言われてた訳ですが、
あの犯人の場合、「胸は取ったもののホルモン治療を続ける金が稼げない→男として働くのが難しい→半ばヤケになって援交&昏睡強盗、ホルモン治療してないから妊娠」
っていう、最悪のスパイラルの中に居たっぽい気がするんだよねえ。
バック・エンジェルの場合、手術で男性器つけてもどうせ機能が不十分なものにしかならないなら、むしろ今ある女性器使ってセックスして何が悪いんだ?みたいな事を言ってて、
実際、ポルノで男や女やその他の人間との絡みを演じるようになる前にも、路上で男に体を売って暮らしてて(ホルモン治療してたから妊娠はしなかったんだろう)、それでも「自分は男だ」ってとこは揺らがなかったと言ってるんですよ。
なんかそれ考えると、昏睡強盗は完全に犯罪で許すべからざる事だよね、ってのは大前提だとしてもさ、
『声優のアイコ事件』の犯人のことを「男じゃない」って決めつけるのは果たして正しいのか?とは思えてくる訳です。
個人的に、他にも「自分は男だという自覚はありつつも、男に身体売って暮らしてた事があったり、妊娠して子供生んでたりするFtM」の話は何人か知ってるしなあ。
「身体にもともとついてるモン使って何が悪いんだ?」って、ある意味男らしい発想だとも思えなくはないしねー。
