大学の入学式直後のオリエンテーションの時だったかな、あれ。
大学中の施設を案内するって事で、案内役の職員さんを先頭に、同じ学科の新入生45人ぐらい(勿論、全員女)が、校内をぞろぞろ回って歩いたのな。
で、建物のドアを開けて入るのに、鉄とかガラスの重いドアを一人一人開けて入るんだけど、俺がたまたま先頭に近い位置を歩いてた時、いちいち閉じたドア開けるのめんどいし、って思って、俺がドアを開けて支えた訳だ。
普通そしたら、直後の奴がドアまで来たら替わってくれるもんじゃん?
でも、そんときはそうじゃなかった。俺が支えたドアの中へと同級生たちは入っていくばかりで、最後の一人に至るまで、誰も替わろうとする奴はいなかった。せいぜい、通る時に俺に会釈したり、「ありがとう」と言うくらいのもんで。
それと同じことを、その日三回くらいはやったかな?
そこらへんで流石に「なんだコイツら?」って思い始めた俺はドアを支えるのを止めて、そしてそれ以降、俺の他に、「後の人のためにドアを支えようとする奴」は表れなかった。
なんか、今にして思うとえらく象徴的な出来事だったと思う。
