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自分(id:spectre_55)のことを語る

ゴールデンカムイに出てくるゲイカップルの話の何がいいって、

ヤクザの親分(で、例の刺青が入った元囚人)&賭博場の壺振り(サイコロ振って「丁か半か?」って言う人ね)という、全く以て清く正しい一般市民とかじゃない奴ら同士、しかも二人とも若くも美しくもない野郎同士のカップルを描いて、メインキャラクターたちに彼らを嘲笑させておきつつも
(このへん確かにホモフォビアが臭うと言われたら否定はできない)、でも、

「例え二人ともがどうしようもないアウトローであろうとも、ノンケたちの目にどのように写ろうとも、彼らにとってのお互いは、命を掛けるに値する大切な存在であり、彼らの間にはまぎれもなく"愛"があったのだ」

ということも同時にがっつり描いている、というあたりなんでありますよ。
しかも、ワンエピソードの中に途中からしか出てこないゲストキャラでそれ、という巧みさ。

別のエピソードで、「俺たちに明日はない」@日露戦争後の北海道、的な、破滅的な犯罪者ノンケカップルの話があるんですが、彼らと件のゲイカップルの描かれ方があんまり変わらなくて、「大悪党だけど純愛カップルでもある」みたいな感じであるのも面白いなあと。

俺の友人が「ゲイカップルを笑い者にしたノンケ野郎どもにちょっとだけ復習の鉄槌が下ってるんじゃ」と評した「ラッコ鍋」エピソードといい、
鶴見中尉大好きっぷりがただ事でない江戸貝くんやら鯉登少尉のことを読むにつけても、作者はノンケながら、ホモソーシャルとホモセクシュアルを分けるものの危うさ、みたいなところに何か考えるところがあったりすんじゃねーかな、とか思うのは希望的観測に過ぎなかろうけど。