写真家の荒木経惟が、モデルになった女性たちから性的虐待とかパワハラ加害について"metoo"されてる、という件くらい『せやろな』な件もそうそうないよなー。
もう20年くらい前に、俺の友人がいろいろお世話になってた方が彼の写真のモデルになった事があって(ちなみにヌード&緊縛あり)、
文筆業だった彼女が、「アラーキーのモデル体験記」的な文章を雑誌に寄稿したんだよね。
で、その中に、ヌードで撮影してる時に、「乳首が勃ってる方がいい」って写真家の意見で、写真家本人だったか、男性のアシスタントだったかが、唾をつけた素手で彼女の乳首をこねくり回したとか、
撮影の打ち上げでスタッフ関係者で飲みに行った時に、写真家に身体を触られたりキスしたりされたとか、そんな話が書いてあったので、未だにその調子だとすれば、そりゃmetoo待ったなしだろうと。
この文章、基本的には写真家のもろもろには受容的なトーンで書かれてたと思うんだけど(何しろ20年前のことだから、セクハラパワハラに対する意識は今とは全く違うんである)、
打ち上げでのことはともかく、「撮影時に乳首を」にはモデル本人も嫌悪を感じてたと書かれてた気がするなあ。
しかも、モデルがこの文章を公に発表した事について、写真家側は激怒してたとも聞いたような……。
「物書きがそんな事を体験したなら、そいつがその事を書いて不思議はなかろうよ、何怒ってんだか」
って当時の俺は思ったけど、今回metooしてるモデル経験者二人の話を読む限り、写真家はモデルの事を表現者として尊重したりはぜんぜんしてなくて、「黙って俺の思う通りに動いてろ」だったのかなあと。
