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自分(id:spectre_55)のことを語る

『This is England』は、俺の中で「ネトウヨと呼ばれちゃってる人たちに是非とも見て欲しい映画」だったりするのだけれど、
『アルバート氏の人生』は結構「自分のことをキモくて金のないおっさんだと思っている人に見て欲しい映画」かも知れない。

あの映画の後半でアルバートはヘレンにキモがられつつ貢がされて、その貢いだものはヘレンの背後にいるイケメンDQNのジョーに流れている訳で、そこらへんはわりとよくありそうな悲喜劇だよなあって思う。

けど、「どうしてアルバートはキモがられてしまうのか、何が悪いのか、どうすればいいのか」というところについては、回答というかヒントが出てると思うんだよね。

アルバートが「キモい」のは色恋のことについてなんにも分かっちゃいない上、手もろくに握らないうちから突然「結婚しよう」とか言い出すから、なんだけど、どうしてそうなるのかと言えば、女だとバレるのを恐れる余り、他人との関わりを持たずに過ごしてきてしまったから、な訳で。
更に、それを招いた元凶はと言えば、若い頃に食らった手酷い性暴力と、当時が階級&性差別社会であったというところに突き当たるじゃん。

これ、性暴力をいじめ被害体験とかに、階級差別と性差別をヲタク・ネクラ蔑視に変えたら、わりと現代日本にも当てはまるんじゃね?って思うんだよ。
更に、そんなアルバートが(キモがられたりはしつつも)将来に希望を持ち、少しずつ他者と関わろうとしていくきっかけになるのは、「女性」であるヘレンの存在というよりは、「同性」ヒューバートとの交流である、というあたりも。

「キモいおっさん」は多くの場合ヘテロ男子だと思うから、性欲と"人恋しさ"を手っ取り早く満たそうとして、女性にすがりたくなりがちかも知れないけど、
(こういう人らがネットとかで女叩きに走るのって、要はそういう執着の裏返った形だろ?)
そうじゃなくて似たような境遇だったり、そうじゃなくともそこらへんを馬鹿にしない友達とつるんでみる方が"急がば回れ"的にいいんじゃないかな?とは常々思ってるところなんだけど、なんかそれっぽかったなー、と。