2年ぶりにリンクに戻った亜紀ちゃんが「楽しかった」って言っているという事実だけで、本田武史コーチは偉大だと思うの。
昨今『レ・ミゼラブル』が盛んに宣伝されて、お馴染みのあの歌をよく耳にする。いい歌だと思う。でも、心の片隅に、あの日の亜紀ちゃんがよぎる。
何があったかは詳しく本人も話さないけど、多分コーチとのトラブルがあった。シニア2年め、前の年に4大陸選手権で頑張って出場枠をとったGPシリーズの試合に、コーチなしで臨んだ。結果は散々だった。レ・ミゼラブルの曲に合わせて懸命に滑っていたけど、ジャンプがまともに入らなかった。その試合を最後に、将来を嘱望されていた選手のはずだった亜紀ちゃんは国際大会の舞台から姿を消した。
それでもスケートの推薦で大学に入ったから、スケートを辞めたら大学も辞めないといけないからとスケートを続け、同じ大学のリンクで教えていた長光・本田チームに移った。
全日本の滑走前、本田コーチが何か彼女に声をかけたら、少し照れたように、安心したように笑った。副音声で会場音のみにして聞いた感じだと、どうも「ちゃんとついてるから」と言っているように見えた。見ていた私も安堵した。
2010年の全日本を最後に引退した亜紀ちゃんが、諸事情により久し振りに国体で演技をした。楽しそうに滑るかわいい亜紀ちゃんを大好きだったファンの歓声に包まれての演技だった。リンクサイドには本田武史がいた。
本人はTwitterで「2度目の引退(笑)」と言っていたけど、そこにもちゃんと本田コーチはついていた。そして亜紀ちゃんは「楽しかった」と笑っていた。よかった。
