【ぼくほし】
日本だと余命僅かな人が主人公だと「残りの人生をどう(前向きに)生きるか」みたいなテーマが多いような気がして、洋画の邦題もそういうものになるのかなという印象なのだけど、最近見た洋画だと余命僅かとなると何か死生観語りだすんだよね。死の側から見る生というか。
だからジェームズ(ベネディクト)が末期ガンという設定だけど、病気にクローズアップするのではなく、一緒に旅をする仲間とのやりとりにフォーカスしている。
Twitterでチラチラ流れてきた感想では、所謂男同士の掛け算が好きな向きの人たちが「これは・・・」ってなっていて、あの人達はほんとあらゆるものにそういう所を見出すんだなと感心していたのだけど、観た後は「まあ、これは仕方がないな」と思った。
そういう話だという事でなく、前述したように一緒に旅をする幼馴染4人のやり取りにフォーカスしているのと、ベネディクトの演じるジェームズが段々身体が弱っていって、何をするにも誰かにつかまったり支えられたりしながらになっていくのと、あと男4人の気安さから下ネタ会話が多いからw(私はその辺を推測して、最後がもっとシリアスな「英国版木更津キャッツアイ旅情編」的な心積もりをしていた)
以前チラッと見た話では、あるレビューでは映画の評価はそれほどでもないけどベネディクトの演技は絶賛されていたというのがあったけど、まあそりゃそうだろうな、褒めざるを得ないだろうなこの演技は。
よくインタビューで語っている、演技をするにあたって身体性を大事にしているというのがよーーーく分かる。
天才でも変人でも遺伝子いじられた人類でもなければへたれボンボンとか時代物の貴族でもない現代の普通の青年(まあ末期ガンなんですけど)なベネディクトが新鮮で妙に感動を覚えたよ。
あと、しょっぱなからベネディクトさんの美声のモノローグに心臓掴まれたw
映画自体は、ちょっと編集があまいのかなとか、いい画なのに活かしきれていないかなと思う部分もあったけれど、それでも全体に瑞々しい印象だった。
締まらないなと思う部分もあったけれど、旅の目的地に着いた後のベネディクトのターンみたいになってからはあっという間だったw
しかしイギリスの俳優は皆演技上手いねえ。舞台で鍛えられてるからかベネディクト以外のキャストも結構な美声だったよ。
友人の一人のマイルズ(JJ・フィールド)の父は作家で彼が16歳のときにガンで亡くなっていて、マイルズとジェームズは共に作家に憧れていたけど、一作も書き上げないまま今に至るという設定がある故の、最後のキャンプでのジェームズの言葉を受けてのマイルズの表情は響くものがあった。ていうかマイルズも相当難しい役だ。
なんとなく、見たかったベネディクトを見られたという満足感を感じている。
余談。
ジェームズの台詞で「頭に銃を突きつけられたこともない」というのがあったけど、そこは中の人に向かって「いや、あるでしょ」と言いたくなった。(ベネディクトさんは南アフリカでのドラマの撮影中にカージャックに遭ってあわや殺されそうになった事がある)(無事でよかった)
4人組は髭チーム2人とツルツルチーム2人だったのだけど、数日にわたってキャンプをする旅で、途中諸事情により荷物がどんどん減っていくのに、ツルツルチームの顔がツルツルなままなのはどういうこっちゃとこっそり思っていた。
