id:emuzou は
穴の塞がったえむぞうのことを語る

『それでも夜は明ける』(原題:12Years a Slave)3行にまとまらないコメント
3行コメント書いておいてアレだけど、他人の感想を読まないで見たほうがいいかも(笑)あらすじはまあいいの。見ても。
某雑誌のレビューがあまりにもひどいと一部ファンの間で話題になっているのだけど、そのレビューの最初の2行は正にそのとおり。原題そのまんまの映画。脱出にいたる劇的なシーンも、手に汗握る逃走とかも、非道な農園主に一泡ふかせるなんて事もない。だけど、観た人それぞれに論じる点は様々出てくる映画だと思った。テーマについても、どの登場人物に着目するかで色々な感想が出てくる。テーマ以外でも、音楽の使い方や影像の光の使い方とか場面の転換のさせ方とか。私は色々感想を見てしまったけど、人によってどの部分どの場面に着目するかで語る内容が全然違ったしそれぞれに興味深かった。邦題が的外れだと言うのは9割がた一致していたけど(笑)
しかし問題のレビュー、後半は「主人公が生き延びるために“逆らわない”ことを選んだから自由を勝ち取るのに12年もかかったんじゃないか」「そういういき方を柔らかく否定したかったのかも」なんてあったけど、それはあんまりだ。誘拐されて奴隷として売られるために載せられた船の中で「抵抗しようか」「闘おうか」と一緒に船に乗った黒人と話し合うけど、反抗的な態度をとった黒人があっさり殺されてその遺体を船から捨てる作業をさせられるという、逆らえない状況である事をきっちり説明する親切設計ぶりだったのに。
何にしても凄惨だけど映像の美しい映画だった。マックイーン監督が寵愛するファスベンダーが、非道な農園主の役をしていたわけだけど、時々唖然とするほど綺麗に撮られている。愛だねえ(笑)と思いもしたけど、それだけでなく、多分非道な人間であっても美しく撮る事に意図があったんじゃないかなとも思う。そうそう、途中2秒ばかり大写しになる青虫ですらきれいだったよ(警告)
まああんまり感想を読まない方がと書いた手前、その他の感想は後でスタコメに書く。
最後に虐待シーンいっぱい出てきますよ、と。
この作品の役でアカデミー助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴは、友人の男の子から「これからデートで君の出た映画観に行くよ」ってメールをもらって「(デートで観るのは)やめたほうがいい」と返信したけど、忠告を聞かずに観に行った彼はその後フラれたというのが、この映画ちょっとキツいよって事を表すのにお気に入りのエピソード。