【ふと思い出したクリスピークリームドーナッツの思ひ出】
確か日本に進出して間もない頃。新宿のお店にまだ行列が出来ていた2007年3月のある日。私の手にクリスピークリームドーナッツが手渡された。それは名前も知らない老婦人から。場所は千駄ヶ谷の東京体育館。世界フィギュアスケート選手権観戦中の出来事だった。全日通し券を購入し、全日程を同じ席で見ていた我々は、毎日挨拶を交わしている内になんとなくそのエリア一帯の人々に親近感を感じるようになっていた。老婦人がその一帯の人々にクリスピークリームドーナッツを配ったのもそんな理由からだろう。
本来ドーナッツは苦手だけれど、7日間限りのご近所さん、しかも限られた時間でありながら非常に濃密な時間を共有する人からの好意を無碍にするのも気が引けたのと、これがあお行列の先にあるものか…という好奇心から、頂いたドーナッツを食べてみた。
胃の辺りで「ミシッ」って音がした。
気がした。
そして刺すような胃痛にほどなくして襲われた。
あれ以来クリスピークリームドーナッツは口にしていない。
