船の科学館に見捨てられることになった、羊蹄丸。その最期が決まったことを知った。同館のリリースを要約すると……。
・最終的には、愛媛新居浜で解体される。
・解体目的は、今後施工される、大型船舶国内解体義務化の国際条約に備えたデータ取得。
・解体前に、新居浜で最後のお披露目がある。
・選に漏れた応募も、国内外で10件あった。
羊蹄丸の僚船も、何隻かは海外(恐らく北朝鮮)でスクラップ化されてきたという。青函トンネル計画の難航をフォローする、という、ある意味国策で生まれた船が、国策を高めるために死んでいくのであれば、それはそれで本望なのかも知れない。旧国鉄の本業で例えると、東海道新幹線の最終試験車と同じ使命を持った最期を迎えられるわけだから……。(あれも、来るべき0系量産車の大量解体に備えたデータ取得のために、あえて保存されなかったという。)
決して安らかとは言えないけれど、日本の造船業界に恩返しできる最期を喜ぼう。