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美の巨人たちのことを語る

長谷川等伯  国宝 『松林図屏風』
 
屏風の紙継ぎが ずれている。
もともとの継ぎ目に合わせると、バランスが 多少悪くなる。
紙の質もそれほどではない。つまり、最初は、これは屏風では
なかったのではないか、と。
 
屏風より大きい絵といえば ふすま絵。
本当は その下絵だったのではないか、というのである。
それが、あまりにも よい出来だったため 屏風に仕立てた、と。
 
屏風に仕立てる際の、紙の継ぎ方によって 今 この バランスに仕上がった。
つまり、その 屏風に仕立てた人物の 美的感覚がなければ、
これほどの名品に なっていなかったかも知れない、というのである。