マン・レイは、その 写真の芸術性を 高く評価され、
作品が高値で取引されるようになった頃、
”写真は芸術ではない
私は写真家ではない”
と、 複雑な胸のうちを吐露した。
キキとの関係もギクシャクしてゆく。 出会って5年経った頃。
その、別れの頃に 撮られたのが、この 『黒と白』 だった。
名だたる画家たちのモデルをつとめてきたキキと 出会った時、
”あなたを フジタの絵より美しく撮ることができる”
と 言ったというマン・レイ。
その写真はたしかに、記録ではなく 芸術だった。
美の巨人たちのことを語る