id:AntoineDoinel
美の巨人たちのことを語る

フェルメールの 『地理学者』(1669)・『天文学者』(1668) の
モデルだったのではないかという説のあるレーウェンフックは、
実際には 生物学の研究者であったという。
 
未知のものを研究し、未知のものを知ろうとする ― その姿勢を、
地理学者・天文学者という 絵画の中の人物像に うつしこみ、
大航海時代、オランダが ”海の覇者” となっていったことを
讃えたのではないか、と。
当時 必ず航海に同行し、最先端の知識を持ち、
オランダが海を制す その一部始終を 間近で見たであろう、
学者の姿に 重ね合わせることによって。

そして、描かれた地理学者の、窓の外を見る視線が、
この絵を見る者を ”未知” へとひきつけるのである。