ルーヴルが美術館になったのは、ナポレオンの時代である。
1810年、所蔵品のリストが作られたが、
その中に 『モナ・リザ』 に関する記述もあるという。
モデルとなった女性の名、そして 王が4,000エキュで買い取った、ということ。
その金は、レオナルド最愛の弟子サライ(『洗礼者ヨハネ』 の
モデルといわれる)が受け取ったのではないかという。
師が没し、イタリアに帰ることになった彼の、
帰国費用ほどの金額だった、という。
当時は 聖書の物語を描いた絵画のほうが重要視され、
“単なる肖像画” と捉えられた 『モナ・リザ』 は、
さして重要であるとは 思われなかったのである。