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あんとわのことを語る

ずーっと不思議だったのが、日常生活にいろいろな拘りを持って、物にも凝って、細かいことにも気を配ってる人っていうのは、なぜ、何か悩みがあるような時でも、ふだんのその状態を保っていられる(ように見える)のか、ということ。
いや、そういう人に言わせれば、実際は違う、と言うのかどうか知らないけども、私の場合、何かあると、それに全てを振り回されてしまって、日常生活に凝ったりなんてことは、とてもじゃないが出来なくなる。 物に凝るとか花を飾るとか装飾するとか(これらはあくまで例えだけれども)、そういう心の余裕は一切なくなり、最終的に死にたくなるまでただ悶々と考え続ける。 映画をよく見に行っているのは、もちろん映画が好きだというのが基本的にあるけれども、要するに、日常から目を背けるもっとも手っ取り早い方法だ、という点も大きい。日常から目を背けたいから、部屋の中でDVDを見るのではなく、映画館に行きたいのであって(優れた映画ほど映画館で見たい、という考えも、もちろんあるけれども)。
私の、何かに拘るとかいうところは、“これだけはどうしてもいやだ” とか、“これだけはどうしても受け入れられない” とか、そういうことに対して、という部分が大きく、日常に使う物などに凝るという、心の余裕的な意味での拘りとはだいぶ違う。心の余裕は、はっきり言って、ない。生きてるだけでしんどいのに、心の余裕を持つなんて無理だ。映画館に籠って日常から目を背けるので精一杯だ。
だから、日常で使う物に凝るとか装飾に凝るとか(あくまでも一例)している人の、その心の余裕が羨ましい。 その状態を常日頃から保っている人が羨ましい。 そういう人だって、悩みがないなんてことはないだろう。ならば、どうやったら、悩みがありつつも日常にも気を配るなどという、心の余裕を持てるのか。 それが出来ないんだとにかく。何かあったら、それに全てが振り回される。