トッド・ヘインズ監督作「キャロル」
・劇中、小道具として素晴らしい効果を発揮していたのが電話。通話の相手は当然その場(そのシーン)にはいない=つまり “対象のいない演技” にも関わらず、その心情をあれほど表現できるケイト・ブランシェットが、やはり凄いとしか言いようがない。
・そういえばトッド・ヘインズ監督の作品を見るのやけに久しぶりだなぁ、と思い確認したら「アイム・ノット・ゼア」以来でした (その間、テレビ作品を手がけていたらしい)。
・ヘインズ監督が、あるインタビューで “女性は男性より社会的プレッシャーや限界に苦しんでいる。だから女性の話を語ることは、社会的要素について考えることになり、それが僕にとっては政治的で重大なことだ” と語るのを読み、そういう考えに基づいて女性が主人公の映画が作られたことが、じつに意義あることだと。