【映画について書く時】
いろんな映画で《素晴らしい》を多用してしまい、さすがにこれは使いすぎか、と思いつつも素晴らしいがひと文の最後にきてるとどこかしら座りが良くてちょうどいい、みたいな気もするので、素晴らしいと言うにしても、この映画のどういうところがどんなふうに素晴らしいと感じたのかはちゃんと言っとこう、とは思う。
《奇跡》だ、という言い方はなるべく避けてる (冗談やネタでなら、わざと使うこともあり得るけども)。というのも、文章のうまい人ならいい具合に文中に織り交ぜられるだろうけれど、私の文章ごときでは、単に言い方が大袈裟なだけ、と受け取られるかもと思うので。だから、かの「アラビアのロレンス」についてですら、奇跡という言葉を使うのは避けた。私のまずい文章の中でこの映画を奇跡だなどと書いてしまったばっかりに “この人、あれほどの映画のことをずいぶん陳腐な表現で言うなぁ” と受け取られてしまったら、自分が「アラビアのロレンス」に対して何か失礼をはたらいてしまったような気分になるからである。だから避けた。「アラビアのロレンス」についてですら使うのを避けた言葉となると、どんな映画にもそうそう使えるものではなく、以後、素晴らしいの多用に対し、こちらは使っていない。