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映画のことを語る

「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」で、医師役ジェイソン・クラークがいつもよりかっこよかったという話

いや、いつもがかっこよくないって意味じゃないんですよ。なんとなく、これまでは怖そうな人の役を演じてることが多かったようなイメージなんですが (あくまでもイメージなので実際にはそうでもないかもしれない) 今回の医師役、役柄自体もよかったし、それにナイススーツだったから余計にかっこよかったんだろうかなあと。ナイスチョッキでもあったし。ホラーなのにナイススーツでナイスチョッキ…… これまでに見たジェイソン・クラークで いちばんかっこよかったです。

ちなみに、このように《ホラーに出演しているのを見てみたら それまででいちばんよかった(と私が思った)ケース》としては、ほかに「ポゼッション」でのジェフリー・ディーン・モーガン(長い)の例があります。

あと、私としては、このジェイソン・クラーク演じる医師の過去エピソードがよかった。基本的には屋敷の物語なので 劇中それほど多くを占めるわけではないんですけども (ストーリーに重要な関わりはある)。

現在の医師が、屋敷に来るまでは酒や薬を手放せなかったシーンなどからも その過去をいまだ断ち切れないことはじゅうぶんに想像されるし、そして医師の行動/持ち物/記憶の描写によって 過去への悔いが示されていく。なので、終盤で医師がその “過去” とあらためて対峙した時、直接的には描かれていない部分までも (そこまでに得た情報をもとに) 勝手に脳内で補完するような形になって、想像して、ちょっと余計にせつなくなったりしたんですよね。

その過去エピソードそのものや、描く手法などは 映画的にそんなに珍しいものではないとも思いますし、もともと私の好きな要素が多く含まれている映画だということも影響しているのでしょうが、しかし劇中にない部分まで こうして観客(=私)に想像させて観客の感情を動かしたというのは、なかなかのものではないかと (この作品、アメリカでは酷評だったと書かれているのも読みましたが、まあ 好みは人それぞれですから…… 私にとってはよかった)。