「うわっ 先輩、ま~たくるみパン食べてるんですかあ?」
「いいじゃん。おいしいよこれ。王子も1個食べてみればわかるよ。」
「そうかな~。くるみパンってなんか酸っぱいイメージがあるんですよね…。」 ヒョイパク
「どう?」
「…(咀嚼)…」
「トースターでちょっと焼くともっと香ばしくておいしいよ。ほんわり甘くてさ。」
「…(2個め)…」
「くるみパンって、なんか絵本の登場人物になったような気分にならん?」
「…(3個め)…」
「…前に読んだ漫画でさ~、ケンカした職場の先輩に、先輩の好物のくるみパンを買っていって
ご機嫌をとるっていうシーンがあったんだよ。」
「…(咀嚼)…」
「ところでこの前すごい大雨の日あったじゃん。外に行けない時食べようと思って
会社に買い置きしてたちょっといいカップメンが1個なくなってたんだよね。」
「ゲフー もうくるみパン残ってないですか?」
「聞いてる?」「そんでおっかしいなと思いつつ机に戻ったら、王子がやけに満ち足りた表情でさ、
どっかで見覚えのある八角形の容器を捨てようとしてた。」
「…。」
「あとは分かるな?」
「…ちょっとセブン行ってきます。」