姪は、猿に似ているのにかわいかった。
それはそれはかわいかった。
言葉が通じなくても、泣いても、怒っても、喚いても、かわいかった。
彼女の幸せを全霊で祈った。そして、信じた。
私もいつか両親や他の誰かに、あんな風に、無心に愛されたのだ。
なんで、姪の顔なんて思い出してしまったのだろう。
今、この瞬間に。
震える手から、カミソリが落ちた。
浅い傷に涙が沁みた。
姪は、猿に似ているのにかわいかった。
それはそれはかわいかった。
言葉が通じなくても、泣いても、怒っても、喚いても、かわいかった。
彼女の幸せを全霊で祈った。そして、信じた。
私もいつか両親や他の誰かに、あんな風に、無心に愛されたのだ。
なんで、姪の顔なんて思い出してしまったのだろう。
今、この瞬間に。
震える手から、カミソリが落ちた。
浅い傷に涙が沁みた。