id:ss-rain
超短編のことを語る

手の甲に残る傷に触れる。
牙で深く抉られた傷は、きっといつまでも残るだろう。まだズキズキと痛んだ。
横たわる冷たい体を、頭から腹まで撫でた。
いつか、この傷を疎ましく思う時が来るのだろうか。
「でも、ずっと覚えてるよ…」
語尾は声にならなかった。