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超短編のことを語る

春の雨は音すら輪郭がぼやける。
固い木肌に滴る雫は、眠れる芽をやわらかくほぐすのだろう。
だから、木の芽に免じて許してやろう。
ビタビタの靴をいまいましい気持ちで脱ぎ捨て、ストッキングをひっぱるようにして脱いだ。
雨は大嫌いだけど。