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超短編のことを語る

「あゆみー」
母が呼ぶ。妹は今、出かけているはずだ。
「じゃなかったー、ももー」
猫は私の隣で寝そべりながら、耳だけをドアのほうに向ける。
「お母さんばかだね、あんたとあゆみの名前間違ってるよ」
「も……じゃなくて、みやー」
「どうしてあゆみの次がももでその次にあたしなのよ!」