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超短編のことを語る

駅の構内に、薄紅の花が散っていた。花びらの血痕。誰かは避け、誰かは踏んでゆく。
自動改札を通ると、足元に黄色のバラが横たわっていた。花びらがはがれていた。
私は黙って踏み越えた。花は黙って踏まれている。
花は黙って踏み越えた私を見ている。