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超短編のことを語る

大喧嘩の末に電話を切った。脱力して床にねそべると、途端に涙がぼろぼろこぼれてきた。
ドアの隙間から猫の姿が見えたので、しゃくりあげながら呼んだ。
「おいで」
すると猫は珍しく、すたすたと私の方へ歩み寄ってくる。
なんてかわいい子なんだ、と感動した私の腹をのしのしと踏み超えると、猫はベッドに飛び乗った。