この家に越してきてから、いつも明け方は雨の音がする。
眠りからふっと浮き上がってきて、薄目を開けて、耳を澄ますと、どう聞いても雨音にしか聞こえない音が、カーテンの向こうから、する。
そのまま立ち上がるわけは勿論なくて、いつも「あの音だ」と思いながら再び瞼を閉じる。
朝になると聞こえないのは、他の音で掻き消えているからかもしれない。
あさまだきのまぼろしの音。
しまのことを語る
この家に越してきてから、いつも明け方は雨の音がする。
眠りからふっと浮き上がってきて、薄目を開けて、耳を澄ますと、どう聞いても雨音にしか聞こえない音が、カーテンの向こうから、する。
そのまま立ち上がるわけは勿論なくて、いつも「あの音だ」と思いながら再び瞼を閉じる。
朝になると聞こえないのは、他の音で掻き消えているからかもしれない。
あさまだきのまぼろしの音。