食べきるまで居残り
通ってた学校には大きな食堂があって、休憩時間には生徒を見て回る「ミス」と呼ばれるおばちゃんたちがいた。ミスには優しい人も居れば厳しい人もいて、ある日たまたま食べ物を残したとき(その時一回だけだったと思うんだけど)厳しいほうの人に「食べ終わるまで席を立っちゃいけない」といわれた。
けど、私もどうしてもソレが食べられなくて、しまいには食堂中の全員がいなくなっても、一番すみっこの席に座って動けずに、メソメソ泣いてた。
確か、最終的には授業が始まるくらいになってから優しいミスがやってきて、もういいから、と教室へ連れて行ってくれたのだった。
何がそんなに食べられなかったのかは覚えていないけど、午後の光が溢れるガランとした食堂の景色は目に焼きついている。
余談で、それ以来その厳しいほうのミスが大変苦手になったのだけど、転校する時に挨拶したら、がんばってね、と穏やかに言ってくれたのが印象深い。
しまのことを語る