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しまのことを語る

紆余曲折あるも無事商品が到着しました。ようこそ!

詳細のわからぬまま一目惚れして取り寄せたのは中古の指輪でした。
アメリカから来たので当然あちらのものだと思っていたのですが、届いた品を眺めていると内側に黒い筋を発見。これはもしやホールマークか…!?とにわかにテンションが上がる。
が、この家にはレンズもルーペもない。
どうにか確かめる方法がないかと悶々と考えていたら、不意に思い出した。雑誌のおまけについてたマクロレンズがあるじゃないか。
早速いそいそと取り出してきて撮影。
読める…!読めるぞ!!

一番左は真っ黒で見えなかったけれど、王冠、375、一個曖昧なのを飛ばして、Q の3つはハッキリと見えた。
王冠ということはイギリス。
「イギリス」「ホールマーク」で検索すると、冠は金である証、375は9金、アルファベットは書体とともに年代を表していることがわかった。指輪に彫られているQらしきものは、1940年代あたりまでのリストには見つからなかったので、古いものではないとあたりをつける。
それにしても、黒い部分が見えないのがもどかしい。何か方法は…と再びうんうん唸っていると、またも閃く。
私、金を磨く布、持ってた!!(遅い)

フェルト地に薬品を染み込ませてある布だったので、端の繊維をほぐして取り、糸くずを指輪の溝に乗せ、針先でグイグイ押し付けるようにして磨く。心なしか溝の色が明るくなったような気がする。
そこで再び撮影。
すると、なんということでしょう!
黒かった溝に文字が浮かび上がっているではありませんか!

黒かった部分に隠れていたのは「GJ」
工房の名前でした。
そしてもう一つの曖昧だった刻印は、横になった錨。錨のホールマークはバーミンガムで製造されたことを表す。
刻印がくっきりしたことでQがかなり特徴的な形をしていることがわかったので、そちらも引き続き探していく。
そして画像検索を繰り返しているうちに、とうとう発見!

これは…1990年製!めっちゃ最近!!!

と、いうことで、この指輪は1990年にバーミンガムで作られた9金製のものだと判明したのでした。工房名は結局わからなかった。
まあ、ヴィンテージとはいえないだろうけど、その頃はちょうど滞在していた時期なので、なんとなく縁を感じないこともない。最近の工房ならまだ存在するかもしれないし、いずれ現地へ赴き、探してみたい。

適当な売り手さんのおかげで思いがけない楽しみに出会いました。結果オーライ?