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しまのことを語る

ネパールカレーのお店で、食後にフェンネルと氷砂糖が出てきた。小皿にぽちぽち散らばるフェンネルのつぶ。そして小さなかけらの氷砂糖。
フェンネルをそのまま食べるのは初めて。咀嚼した瞬間は香ばしい、ゴマのような香りが広がって、いけそう?と思ったけれど、噛みしめるほどに甘いような青臭いような独特の香りが強くなっていく。氷砂糖をポリポリかじると、甘みがにおいを和らげてくれる気がした。フェンネルに対して量が少なすぎたのが惜しい。
結局、半分くらい食べて残してしまった。
でも、"フェンネルと氷砂糖"という組み合わせはなんというか…不思議な感触で、一気に空気が非日常になった。あんなに小さく、ささやかなもので。

そして言葉の響きが素敵だった。本のタイトルにしたい。フェンネルと氷砂糖。