動物園に行ったら、1種類の動物をたっぷりと時間をかけて見ることです。ひとつ決めたら、最低30分はその場を離れない。動物園に全部で3時間滞在するとしたら6種類、もしくは4~5種類だけを見るようにしてください。そうすればきっと、おもしろい発見があるはずです。
多くの人は動物園に来ると、たくさんの種類の動物を見ようとします。次から次へと、全種類見ようとしたりします。でもそれでは何も見ていないのと同じです。動物と会話をしていないので、なんの発見もありません。
そういう見方は、せっかく野生からやってきた動物に失礼です。すべての動物には、それぞれの味があり、美しさがあります。動物が発信しているもの、色とか形とか匂いとか動きとか声とかを見つけながら、自分がヒトという種類の動物であることを認識する場所。それが動物園です。
(あべ弘士「この本読んで!2018秋号」特集“絵本どうぶつえん”)
勝手に引用のことを語る