「緑の三角」(2)
でも。
何度か折り返すうちに、それが決して嘘ではなかったということがわかりました。ひとつ、ふたつ、、、
掌に鮮やかなポップカラーのおはじきが戻り始めると、少女にはそれまでとは別の悲しさが押し寄せてきました。
「わたし、いつも思っていたの。ブロック塀にひっついてるかたつむりを見るたびに、
なんてのろまで弱いんだろう。突くとすぐに殻の中に引っ込んでしまうしって。」
そして全てが少女の手に戻ったとき、かたつむりは言いました。
「悲しまなくていいんだよ。ぼくはきみと出会えてよかった。だってきみは変わったのだから。」
少女はかたつむりにそういわれるととうとう涙をこぼしてしまいました。
「ねえ、泣かないで楽しいことを考えよう。そうだな、、、
それじゃあきみのその宝物を半分ぼくに分けてくれない?」
「ええ、もちろん!」
少女のおかげでかたつむりは世界で一番おしゃれなかたつむりになりました。
そして少女もまた、チョコの重さは半分になったのに世界で一番幸せな気分になっていたのでした。
(おしまい)
絵のある喫茶店(雑談場)のことを語る