id:usaurara
id:itumadetabeteruのことを語る

まず、私の質問の意図を説明しときますね^^
犬さんとの意見の相違や不可解を深刻に捉えていたわけではまったくありません。
(私はその点において言うと、犬さんとだったらどんなときも「深刻」にはなりません。)

あの問いをしてみたのは、佐藤亜紀さんとsk-44さんのやり取りを見ていてふと「お二人は、或いはどちらかは、対話に着地点を想定されているのだろうか?と思ったので、同じことを自分に置き換えてあなたに問うてみただけなのです。
要するに犬さんはこの問題を構成する個々の要件について個別に意見を述べているだけということですね?なら了解です。

で、私自身の状況を説明しておきます。
私はsk-44さんに関しては日頃ブログを拝見しており(ご本人の意図はさておいて)勝手に推量が働いてしまう面があるので、総合的な一つの意見を主張されているように見えてしまうのです。逆に佐藤亜紀さんについては全くの白紙なのでなかなか全体としての意図が読み取れません。(女性としての怒りと表現者としてのリスクとのジレンマに共感はするのですが)

さて、この話を私的な側面と公的な側面とで考えてみるとこんな感じ↓でしょうか。

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1、(私的)暴力的表現をめぐって権利・自由を侵害される痛みは定量化して比較が不可能でどちらがより深刻かに答えは出ない。ただ、現時点では一方だけが痛みを引き受けている点で、ある程度深刻な問題が存在してるのではないかとはほぼ一致している。

2、(公的)一方で社会の特失として問題を見るとき、現在紐がついていない「表現の自由」に紐をつけることの社会的損失Aと、暴力的表現の存在が作り出す社会的損失Bの大きさはそれぞれどうなのか。Aは予測、Bは現状をそれぞれ丁寧に検証しなければならない。

そして、1と2には相関がある。


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犬さんが今主にしていることは、1の「現時点では一方だけが痛みを引き受けている」について、それが見捨てられないようにという掬い上げなわけですね。
表現の自由・危機ばかり言い募っていてはそれらの痛みは「見捨てられたも同然だ」というのは確かにその通りで、実際そのように受け止められているでしょう。
そしてそのことは言い募る側の一人sk-44さんに関してだけ言えば、充分に承知でおっしゃっています。
何故そうせざるを得ないか?今されている議論が「法規制の是か非か」だからです。
そもそもsk-44さんはこれまでレイプやセカンドレイプの問題で女性被害者がいわれなき不利益を被ることについて、多大な労を費やしてブログで訴えてこられた方です。それでも今回は一転して「被害者の気持ちを置き去りにしてでも表現の自由に紐をつけることに反対だ」と主張している。(のだと思います。)つまり1は退けてでも2を焦点化せねばならない、ということです。
 
 
そこにはそれだけの切実があるということです。その切実とは「この国の官憲が糞で、問題が女性への暴力・抑圧に留まらないことが容易に予測されるからでしょう。佐藤亜紀さんは官憲が糞なら官憲をなんとかするべきとおっしゃっていましたが、官憲とはデフォルト糞なものであってその言は無茶振りでしかありません。
 
今「痛い」と言っている人は傷つけられていることにしか目が行かないでしょうが、実はその自由から間接的にたくさんの恩恵を受けているはずだと私は思うのです。
まずは拙速な法規制への反対が第一。その一方で現実的にどこで誰が誰から被害を受けているのか、どんな救済が可能かはもっと落ち着いて話し合われるべきだと感じています。