id:usaurara
花うさぎ無計画発電所のことを語る

両腕を立て、すこしおおきく息を吸いこんでから
鼻のあたまが触れるか否かのところまで下肢に近寄った。
タイマー切れの電気カーペットを這って来る外気の温度はさえぎられ、
窪みには彼の体温が溜まっている。

犬のように嗅ぐ。慣れ親しんだ匂い。と、同時に「世界こどもの日」という文字が目に入る。
ネロはひとり死ねばよかったのだとずっと思っていた。

かわいそうなのは誰だ。
彼か
俺か
俺たち二人か。

女でも子供でもないものたち
その不幸はかわいそうと言うに値する?
その幸福はすべてのひとが願うに値する?

いとしいひとの最期を見守り運命をともにしたバカな犬に、なりたいものだ。