ピンクのエプロン by usaurara
30. ふっかつのじゅもん
2011年の春。
大きな失意のなかで見た花。
そのとき実ったアーモンドを連載期間中デスクトップの傍らに置き、
他者に、自分に、失望し、投げ出したい気持ちになるたび眺めました。
木の実の中に入っていたのはこの文章です。
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「欲望」そのものを操作しようとするひとたちにはその無謀に呆れますし、
「悪」から目をそらし、ナイものにしてすませようとするひとたちは怠惰だと嘆きますし、
自身や世界をキレイなものにしておきたいと願うひとの「弱さ」はわたしの身の内にもありますが、それゆえに厭います。
「夢のように、おりてくるもの」は、そうしたわたしのやるせなさが何らかの形で実を結んだものとはいえると思います。
これは連載を「始める」ときのメールに書かれていたもの。
ふとモニターから目を外せば、わたしはいつでも原点に戻ることができたのです。
さて、30日間おつきあいいただこのエッセイは、本日をもって終了となります。
思いのほかたくさんの閲覧をいただいた感謝を皆様に申し上げますとともに、
この場を提供下さったクランチマガジンの皆様に御礼申し上げます。
ありがとうございました。
―――「夢のように、おりてくるもの」挿画担当 usaurara