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花うさぎのことを語る

ピンクのエプロン by usaurara

27. ゲッタチャンス

アクセルを踏むのは常に茶髪君であるかに見える。でも、そこに至るまでには実は何度も黒髪君がアクセルを踏んでいるはずだ。意識的かどうかは別にして。

昨日、王子様のようにカッコイイうささんを印象付けてしまったので修正をしたい。
わたしはグダグダと泣きごとを言っているだけのひとが嫌いなので、このコラボを持ちかけたのは「救済」の類ではないと書いておく。(結果的にそうなったということはありえても、だ)
その当時、たしかに彼女ははてなハイクでグダグダと泣きごとをよく言っていた。しかしそのかたわらで、これまでに書いてこなかったタイプのお話を連載し始めてもいた。

ご存知のように彼女の得意分野を並べたら「歴史」「古典」「西洋」「美術」「ルネッサンス」「SF」などが挙がると思う。
でもそのお話はどうもそれらのどこにも属さないように見えた。主人公が異能者であるのが若干SF的ではあるけれども、その能力というのは極めて限定的だ。その部分さえなければ、ごくごく普通に見かけるBLのようにも見える。(しかしBLと括る類の話でもないことはまた別に話す)
彼女はそれまでの蓄積を肯定的にとらえることができずに「出口がない」と嘆きながら、一方ではちゃんと新しいことに手を付け始めていたのだ。

率直に言ってしまうが自分は愛さんの小説の「熱狂的」なファンではない。彼女の文章は好きだ。特に日常の出来事についての小さな違和感などを自己分析的に悩みながら書き綴った文章は、他者に対する畏れと自分の無知や誤謬の可能性に過不足なく触れつつ書かれていて心地いい。しかし小説はちょっととっつきにくい。そう感じていた。
そこに「夢のように、おりてきた」のがこの物語である。

「これなら一緒にやれるかもしれない・・・・・・」ゲッタチャンス!そう思った。

アクセルを踏んだのは決して私だけではない。