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花うさぎのことを語る

ピンクのエプロン by usaurara

24. 強いもの、弱いもの

コラボの一年半近くを我々は認識のズレに気づかず過ごした。気づいたのは、たまたま印刷屋のセールの話が舞い込んだときだ。「本、作ろうか」

第二部まででもすでにテキストは薄い本として十分にあった。コラボ当初からオフライン活動をしない方針の私は「絵を寄稿するだけなら」と協力を快諾したが、イラストの内容を話し合ううち互いの「ズレ」に気づく。
唖然としたw

一般的なことはわからないが小説のコミック化という場合、テキスト作品の色彩を最大限生かしながらビジュアル化するのが「スジ」だろうと考えていたし、この作品の世界を尊重したい気持ちを私は自然に持っていた。
そしてまた、「ビジュアルの強さ」を普通の書き手なら恐れるだろう、そうも思っていた。
ところが、「いえ、全然ちがいます」と完全否定されたw

「あなたがそんな蓮っ葉だとは思わなかった」と当時を振り返って彼女に言ったことがある。
我々の間で通じる「蓮っ葉」というニュアンスを誰にでもわかるように言いかえるなら「手負うことを恐れずより大きな獲物を狙って可能性に賭けてみる、そういう気質」といった感じだ。

「うじうじくん」はたしかに著者に通じる気質だが、その一方で彼女はたまに目を瞠るほどの強い踏切りを見せる。

たまに、だけれどw