ピンクのエプロン by usaurara
15. みぎ、ひだり、みぎ、ひだり
リアルという言葉をよく使うようになったとき、それはバーチャルと対立させたものだった。
2014年の今、それらは自転車のペダルのようにクルクルと追いかけあいながら時代を前へと運んでゆく。
第二部タイトルにあるように車輪のイメージもこの物語のモチーフだ。
いくつものギアがそれぞれの回転をしており、それがより大きな運動をつくる世界。しらずしらずにひとは隣り合ったギアを廻している。
相棒のペダルはとてもゆっくり進む。
ローギアで。
それは何かを得るためには都合の悪いことかも知れないが、けっして悪いことではない。