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花うさぎのことを語る

ピンクのエプロン by usaurara

13. HAPPY BIRTHDAY!

あかりはずいぶん前に落とされている。壁づたいに反射してくるオレンジいろの光がほのかにのど骨や顎の輪郭を描く。ボタンを手早く3つ外して少し手をとめる・・・。

・・・といったかんじで、今日掲載ぶん(https://i.crunchers.jp/data/content/393/12562)のワンシーンを描いてみた。

コラボ発足時「新しいことを考えすぎないで実践してみよう、性表現についてもお互いにこれまでより一歩踏み込もう」と約束したものの、連載場所はいわゆるオタク向けではなく中高生が混じる一般的なSNS。小説と違い伝達性の高い「絵」を担当するわたしは、性描写で読み手に拒否感を与えないための計算が必要だ。

一番大きく影響すること――映画でいえばシーンの設定とカメラアングルや絞りや照明といったあたり――の他にも、全体を通じ「主線を青にする」ことや、「絵柄をやや絵画的(コミック的の反対語の意味で)にすること」でそれは解決できるかな・・・と考えた。
第二部までの「挿絵」形式の絵(たとえば昨日の委員長と花の一対)はそういうコントロールのもとに描かれたものである。

わたしはもともと、即興的なもの、ラフなものが好きだ。が、コラボとはいえ小説が先んじてあるならそのカラーを最大限尊重するのが自分の務めだろう。愛さんの重く暗い、でも強さとあたたかさのある世界に合うものを描いたほうがいい。

それが相手の「コラボ」の意図とはまったく違っていたと発覚したのは、第二部までを本にまとめようと話が出たときだった。開始からすでに一年半近く経過していたw

作品へのスタンス(一次創作者と二次創作者それぞれの作品へのかかわりかた、ありかた)という問題をとことん話し合っておく必要が、コラボをするならばあるということ。「失敗」をもってこれを学べたことはとてもいい経験だったと今は感謝している。
もちろんこのコラボ自体、ひいては愛さんの存在自体に心から感謝している。

HAPPY BIRTHDAY!