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花うさぎのことを語る

ピンクのエプロン by usaurara

8. 儀式

焚火も、その煙も、水と同様不定形でとらえどころがなく好きだ。でもそれらを「命」のイメージとして芯から受容できたのは兄を送ったときだった。風のないあの日、煙はまっすぐに昇っていった。

このひと(通称ラスボス)は、秋風が吹き月がりんと光り出す頃、ビルの屋上に七輪を据えサンマを焼く。
ということに決めた。

田舎出身の友人から「月見ってのは道端に大勢でご馳走を並べてやる宴会だ」と聞いて衝撃をうけたのも、原発の海への影響が今よりずっと騒がれていたのも手伝っただろう。二本目のコミックの表紙には、店長とラスボスそして「月」と「釣竿」を配置した。

彼の破天荒にもみえるふるまいに見え隠れする憂愁を、もしかしたら茶髪君だけは共にしたんじゃなかろうかと想像したりもする。