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短歌のことを語る

推敲と自作解説

・漁火(いさりび)をかこふ葡萄のむらさきや遠く遠くカナンといふ色
(海の民、フェニキア人、その特産物であったという布の紫もカナンと呼ばれていたのではないかということをウェブで拾い読みしてでてきたもの。「知るすべもなし」が論理的すぎてぶちこわしだなと思ったので言い換えました)

・有田から届きし一客あざやかな翡翠を隠す葡萄唐草
(当時福岡配属だった兄が一客だけ買って新婚家庭に遊びに来ました。高級品だし遺品になっちゃったし使うチャンスがありません。全面的に変えたのは碗皿のことを詠んでいるのが全然伝わってないじゃねーか!wとなったため>< 気ままに詠みすぎだw)

・テーブルに葡萄一房置かれれば厭(あ)かないでいる証のようで
(一房を分け合って食べるというのはやっぱり厭な相手とはできない気がするんですよね。ま、そういうw うん これはそのまま)

・そうかなとまず云ひし舌くるくると凍った葡萄の皮を剥がせり
(なんかもう、めんどくさくてとりあえずそうかなって言っちゃって、でももやもやするきもちを口んなかでいつまでもころがしてる。。。 推敲はほとんど「音」をきれいに流れさせるためにやっただけですね)

・「この葡萄酸っぱいやん」と口に出す愚かなキツネは胸の中に
(説明いらないですねこれは。 推敲は、となりにだと旦那さんのことかしらとか思われるかもなっていうんで書き換えたもの。ひねくれものなんですっていう告白の歌です)