id:zushonos
盆踊りのことを語る

[心霊スポットでなんとか]
とあるきっかけで、宮城県南部、山間の集落にお住まいの陶芸家と知り合ってから、もう10年以上経った。知り合って以来、およそ年に一回、先方に出かける機会がある。
数年前のお盆の時期、夕刻に遊びに行ったら、「今日は夜、地域の祭りで盆踊りをやっているから見ていきなさい」と言われた。その後の予定もなかったので、見に行ってみることにした。
陶芸家夫妻は事務局的な仕事があるとかで先発し、後から陶芸家の長男に会場に連れていってもらった。
その地域の住民は、帰省してきた人を含めても100名くらいだろうか。全員が集合できる場所がそこしかないのか、それとも盆踊りの会場としてふさわしいという判断の結果なのだろうか、案内された会場は、地域の墓地の広場であった。
広場の中央に組まれた櫓には電飾が施され、スピーカも設置されている。櫓を取り囲む盆踊りの列はスピーカから流れる音楽にあわせて回る。とても賑やかである。盆踊りの合間には、ラムネ早飲み大会などの催し物がある。
踊ったり、催しに参加したりしない観客は、広場から続く斜面に設けられた観客席に座る。その斜面には墓が立ち並んでいるので、墓の隣にパイプ椅子を設置したものが観客席である。

墓場で賑やかにすることについては、「お盆の時期で、墓の主は生前の住まいにもどっているので、騒いでも大丈夫」なのか、「一年に一回くらい、先祖と子孫が一同に会して賑やかにしてもいいだろう」なのか、わからない。