自分が高校生くらいまでは、姉と俺様は、理由はさておき「父親に似ている」と言われることに激しい抵抗感をおぼえていた。口喧嘩の際に相手に投げかける「あんたのその○○が親父そっくりだ」というせりふは、時にジャブであり、時にボディブロウであり、時に顔面へのストレートであり、カウンターであり、往々にしてフィニッシュブロウとなっていた。
そんなある日、自分の発した「それは父親似」が軽く受け流された。姉曰く「まあそうかもしれんね、娘じゃけえね」てなもんである。
ずるいと思った。
以後、「父親に似ている」は、ジャブになりこそすれ、それ以上になることはなかった。
似ないぞというお題を見て思い出しましたよ