深夜の友は変な友といいますが、こんな時間に一人でハイクを覗いているあなたは一体どんな人なのだろう。こんばんは、五木寛之 じゃない方の人類です。
今年一番の買い物は6月に作ってもらったナイトガード(マウスピース)。顎が落ち着いてここ五年くらい見ていたいやな夢を見なくなった。それでちょっと心の余裕ができたのかもしれない。
あなたは一体どんな人なのだろう、というよりも、おれ、一体どんな人なのだろう。
何を言っているのか分からないかもしれないけどつれづれに。
胎児として生まれた時には、みんな男女どちらにも分化できる性質を備えているのに、誰もそれを憶えていないものなのかな。
何か、を知っていた。だから、ある年頃から、温泉に行ったり、立ち小便器で人と並ぶのを避けている。
やや第二次性徴不全っぽい体と、やや女性化乳房。股間に閉塞感(性的な意味で)。腹の奥に感じるもの(性的な意味で)。
股間は胎児のときには開いていたものがくっついたのだから、などと考える。今そこにあるカッターでこの縫合線のあたりを切り開いてみたいと思ったことが何度かある、二十いくつの頃。
揺らぎを含み曖昧(バイナリ的な性別観を基準にすれば)な性自認と性的指向。
この世に存在することになっていないかたち。かたちを外から与えられないもの。自分でかたちを作らなければならないということ。
自分をつかまえておくことが難しい人生だった。
何年か時間をおいて、ここ数か月で改めて全てを感じようとしている。ずっとここにあったもの、ずっと一緒だったはずなのに知らなかったこと、かたちのあるもの。
きっと、何にでもなれた時のことを、忘れられないように生まれついたんだろう。