新たな勤務地、初めての路線で長距離通勤
ケロのおやつを買うため沿線の両生類、爬虫類を扱う店を探す
昨日は乗換駅にあるとの情報から探すも再開発に伴い閉店と知る
そういえばその手のポータルサイトには掲載がなかった
きょうはその手のポータルサイトで「おすすめ」タグがついた店に行ってみよう
まだ仕事が少なく定時で退出、山の端に日が沈む
通勤路線沿いではなく、初めて乗り換える駅、初めて乗る路線で二駅、初めて降りる駅
降りると開けた平地、平屋の旧家豪邸巨木に蔵まであるぞがよりどりみどり
日は沈み黄昏時
狭い歩道で中学生の一団と行き交う
古い看板の写真を撮りたいが、かばんに入れたつもりのキャメラがない、忘れてきたかな
Googleの地図で都道表示(それも二桁番号なのでおそらく主地道)されていた道で曲がるつもりが通りすぎたようだ、ああ、通りすぎたガソリンスタンドの角か、暗かったので見落としたかな
引き返すが、標識はなく、ずいぶん細い道だが本当だろうか、しかし一応信号機つきの交差点だし、相対的にも現在地表示にしてもここしかない
暗い路地に入る
一方通行のまっすぐだが狭い道、軽自動車でも行き交えまい
前方から中学生が断続、地図によるとこの通りに面して中学校があるというから、道は合っているようだ
しかしもうすっかり日が暮れて街灯もほとんどない住宅と畑に囲まれた道、行き交う連中は実のところ背格好で中学生と知れるが顔だちまではわからない
時折向かってくる自動車を道路脇に張りついてやり過ごしつつ前進
中学校の校庭らしき明かりが視界に入り、人心地つく
前進を続けると、校庭まであと少しというところで、道路沿い左手に三名のおそらく年端もいかぬ娘っ子っぽい黒い影がしゃがんだり自転車のハンドルにもたれたり先端に火がついた棒状のものをくわえたり
これらのもしかして不良少女が校庭から出てきたそうでもない女生徒に「バスケット部って何時に終わるの」などとたずねている
私は先を急ぐ、細い道はまだ続き、夜間証明に照らされた校庭では野球部が練習している
細い道は片側二車線の道路に突き当たる
地図を見ると細い道は道路の向こうに続く
横断歩道を渡り、私は先を急ぐ
いくつかの住宅地の交差点を過ぎてたどり着いた交差点は、地図によるとそこを左折してしばらく進むと店があるというそれ
こんな細い路地に、と思ったが、前方に店舗の明かりと思えるものがいくつか見え、どうやら正解と知れる
私は先を急ぐ
最初の店の明かりは飲み屋、その隣は今日の営業を終えた茶店、つぎは空き店舗となって久しく、最後はまた飲み屋、その向かいに洋品店
地図はこのブロックを示しているが、カエルがいそうな店はない
手前の飲み屋の前にあった街灯に「なんたら銀座」の文字があり、少し間を置いて、控え目な商店街が繋がっている気配がある
地図の住所検索精度のあやかもしれぬ、周辺も見ておこう
控え目なスーパーマーケット、理容店、美容院、焼鳥屋、学習塾、八百屋はあれど、動物の気配はない
気配がないといえば中学校の通りを過ぎてからほとんど人とすれ違わない
もういちどポータルサイトから店の公式サイトへとたどる
所在地に間違いはなく、電柱の街区符号も一致
公式サイトの最終更新日らしい日付けは2月某日となっている
仮に移転したとして、1ヶ月でこれだけの寂れ方ができるものだろうか
近所の店の人に聞いてみようかと迷っていたら、スーパーマーケットは閉店、ほかの店もどんどん閉まっていく
私が着いたときはすでに閉まっていた理容店のシャッターの写真を取ろうともう一台のキャメラを取り出すが電池切れ、そんな馬鹿な先週満充電を確認したあと使っていないぞ
仕方ないのでスマートフォーンで撮影
店の裏手は駐車場や路地があり反対側の路地につながるようだ
歩いて行くと建物の裏側にもラーメン屋か何かの入り口が、ただし明かりはついておらず真っ暗
反対側の路地に面した建物は2階建てのアパートで、2階の角部屋が在宅らしく照明が漏れているのが辛うじて足元まで届く
店が入っているはずの建物を回り込むように歩むとその2階でカーテンを閉める音、怪しまれたのか
改めて店の名前で検索してみるとディスリスペクトのことばが連なる掲示板が
月日はあるが何年かわからん情報で移転したとかなんとか
あ、公式サイトも月日だけで年が書かれていない
さらに検索すると、更新情報一覧のページに行き当たり、最後の日付けが2006年2月であった
トワイライトゾーンのことを語る