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刺客のことを語る

外出時、足を進めるたびに、右足裏からアスファルトの凹凸に引っかかるような音がします。
この状態になったら、多くの人が自分同様に「靴底の溝に小石が挟まったな」と感じたであろう、あの状態です。
こうなると、歩みを止めるのも悔しいので、路上の少し大きめの段差やくぼみを見つけてさりげなく靴底をこすりつけ、歩きながら小石を脱落させる、そいつが俺のやり方です。
今回もそのようにしましたが、二度三度試みても脱落しない。だんだんこすりつけがはっきりした動作になってくる。おそらく行き交う人にも「あいつ小石が挟まったな」と悟られたことでしょう。くそっ。

しばらく歩いて、スーパーマーケット入り口に、格好の小石取りポイントを見つけました。路面と建物の段差解消ブロックが、建物との間にすき間を作っているという矛盾というか、しかしこれは好都合。
音源のあたりを溝に当て、そのまま靴底を後ろにすべらせる。なにかが引っかかって、取れる感じ。ざまあみろ。

足を避けてみると、そこにあったのは小石ではなく、桃色の丸い、ちゃいなマーブルでもなく、ガムちょーだいの自販機に入っているガムどもなく、しかしそのくらいの大きさの球体に棘がついか画鋲、押しピン、なんとでも呼ぶがいいさ、でした。
初動でしっかり刺さっていたのか、何度かこするうちに深く刺さって簡単に取れなくなったのか。靴底厚めでよかった。
という、刺客に狙われた話でした。

それから、しかくなのに丸いという話でした。