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負けてなるものかっ!のことを語る

勤務終了後、借りたことがない分野の本を探そうと、通いなれた図書館に寄った私は、蔵書検索機に向かった。
夏休み時期の土曜日ということもあってか、図書館はわりと混雑している。数ある検索機はいずれも先客で埋まっていたが、並んで少し待つと、私の順番がきた。
閉館時刻が迫っており、私の後ろで待つ人が急いている気配を背中に感じたが、今回検索したいキーワードはひとつだけ。SASAのテクノロジーを知るため、流体力学に関する本を探したかったのだ。
検索機は、タッチパネル付きのディスプレイを備えたPCで、検索用ソフトが常時起動しており、OSの画面を見たことはないが、Windowsなのではなかろうか。
検索用ソフトはフラットデザインというよりWindows以前、20年前のデザインですといった趣で、最初の画面で入力装置を選ぶ。選択肢は「タッチパネル」または「キーボード」。ここはいつものとおりキーボード。
次の画面で検索条件を入力する。検索対象範囲や読み、表記など細かく指定できるが、細い設定をして待たせる感を出したくないし、書名に「りゅうたいりきがく」と入っているものを多く見てみたい。初期設定読のまま、読みを入力する。qwerty打鍵歴25年の力を見せつける時がきた。
内容にふさわしく、流れるように、一気に表示されていく文字列。
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スンナナカチニスニノニキチノニ
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えっ。カナ入力になっちょる。
落ち着け。切替えるんだ。その方法を見つけるんだ。
Windows風のIME設定アイコンは見当たらない。
全角/半角キー。スンナナカチニ。
無変換キー。スンナナカチニ。
ためだ、落ち着け。並んだ人が醸す不信感が伝わってくる。
いったん最初の画面に戻る。カナローマ字切替は見当たらない。ここでタッチパネル入力を選ぶのが確実ではないか。いや、俺はqwerty打鍵歴25年なんだ。負けてたまるか。

キートップの刻印見ながら「りゅうたいりきがく」と入力しました。