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ノンフィクションのことを語る

帰宅途中にディスカウントショップに寄ったんです。近所だとこの店でしか見かけない、とある銘柄の瓶入りインスタントコーヒーを買うためです。
無事目的の品を購入し、ほかの商品もちょっと眺めてから外に出たら、肌寒さが増していたんです。私は買ったインスタントコーヒーが入った手提げ袋の反対の手に抱えていた上着を着ようと思ったんですが、次の目的地に向かうため、歩みを止めることはなかったんです。
歩きながら着はじめたんですが、左袖の腕を通すところからはじめたものの、肩掛けかばんの紐が邪魔するなどして、うまく着られなかったんです。
身をよじったりしながら、ついに右袖に腕を通す。拳が顔を出したところで右手に手提げ袋を持ち、左手で肩掛けかばんを抑えながら、右手を突き上げるようにして袖を伸ばしたそのときでした。
コーヒーの瓶が地球の重力に引っ張られ、後頭部にぶつかり、鈍い痛みが走ったんです。
これが「鈍器で後頭部を殴られる」というやつかと思った矢先、手提げ袋が視界に入りました。