私とレーザー
年が近い人たちの何割かはそうだと思うのですが、レーザーとの出会いはグラディウスシリーズでした(余談ですが、オプションもグラディウスシリーズです。ミッソーとスピーダッはなにか別のもので出会っていたはず)。
直線状に連なって発射されるつおいやつ、というのが第一印象でした。その印象―中でも「つおいやつ」という部分が強調されたきっかけは、ファミコンソフト「ヴォルガードⅡ」です。「ヴォルガード」あるいは「ヴォルガードⅠ」が存在したのかどうかは知りません。調べる気もありません。
ヴォルガードⅡの存在は、当時購読していたファミコン通信あるいはファミリーコンピュータマガジンなどで知っていました。周囲にこのソフトを持っている友人はなく、気軽に動画を見られる時代ではなかったため、パッケージイラストや画面写真で想像することしかできませんでしたが、「ヴ」がかっこいいと感じる年頃だったこともあり、なんとなく憧れが募っていました(余談ですが、同様のソフトには「ゲイモス」や「頭脳戦艦ガル」などがありました)。
そんな折、宇部市街(当時の)中心部にあった三角州状の土地に建つ、ダイエーと丸久が入った商業施設(庵野秀明が後に自らの作品に登場させたと聞きます)で、たしかダイエー撤退に伴う改装セールが行われ、ワゴンセールでヴォルガードⅡが売られていたのです。あれ、丸和(より自宅に近い商業施設)のセールだったかな。
ともかく定価5000円くらいのソフトが新品か中古か忘れたが2000円。周囲で誰も持っていないという点に、かすかな不安があったのもおぼえていますが、学業成績かなにかをダシにして、「はよ買わんとセールが終わる」と親か祖父母かあるいは両方かにねだり、購入に至りました。
帰宅後、さっそくプレイ。なにこれムズい。ちゅうかよくわからん。それから、グラディウスなんかに比べると*censored*。
困って、こちらは小遣いで攻略本を購入。でもよくわかんねえ。
しかしながら、たしかこの攻略本に、BGMに合わせて歌える歌詞が、楽譜付きで載っていたのです。当時、安永の実家の隣にあったピアノ教室に通っていた私は、その楽譜が読めました。つうか音楽の授業で楽譜の読み方は習っていたはず。さらに書くと、「BGMに合わせて歌える歌詞」ですから、楽譜読めなくても大丈夫。ええと、ボコスカウォーズとボンバーキングとヴォルガードⅡの歌が私にとっての三大「ファミコンのBGMに合わせて歌える歌」です。
ヴォルガードⅡの歌は何曲かあったと思いますが、その中でも、レーザーの歌が強烈でした。正直に書くと、レーザーの歌しかおぼえていません。そうそう、ヴォルガードⅡもパワーアップだか身を削るだかしてレーザー撃てるんですよ。そのときはレーザー用のBGMになって、その曲に合わせて歌える歌詞がどういうわけか攻略本に載っていた。その歌詞は
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れーざー つよいぞれーざー
(くりかえし)
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というもの。
今に比べるとずいぶん見聞の狭かった当時ですが「これはちょっとおかしいぞ」と思ったものです。
それから30年ほど経つ間にいろいろあって、今ではレーザーといえば縦横に張り巡らされた緑色のひっかかると警報が鳴るアレを真っ先に思い浮かべるようになりました。