始発駅で発車待ちの車両に乗ったら、テーシャツにタンパンのだらしなく眠った兄ちゃんの隣の席が空いていたので着席。傾いてくるかもしれないが、そのときは避けて倒れさせてあげると目が覚めて良いだろう。膝が傾いてきたので押し戻すが起きる気配はない。ただでさえ通路に足を投げ出しているのに(通路に立つ人はほとんどいないが)、ケツの位置がだんだん前方に移動し始め、ついに滑り落ちて私の膝に頭をぶつけた。さすがにいちど目を覚ましてやや申し訳なさそうな素振りをしつつ元の位置に戻るとまたすぐに寝る。少し経つと、手に持った分厚い財布を床に落としたが眠ったまま。見かねて膝や肩を叩いて声をかけるが起きない。二度と目が覚めないのではないかと疑うがやや酒臭い呼気。仕方なく財布拾って押し付け、肩を揺すったら目を覚まし「すみませんすみません」と言い、どうにかして財布から床にこぼれていたらしい10円玉を拾ったのでこっちが恐縮。「取りこぼして申し訳ない」と伝えると眠そうに「すみませんすみません」と言う。力なく財布と10円玉を手に持ったまますぐに眠り始める。10円玉落として拾う。寝る。最初の駅についた直後はまだ眠っていたが、少し経つと目を覚まし、眠そうではあったが迷うことなく降りていった。
電車内にてのことを語る